クリスマスに『戦場のメリークリスマス』を見た
あの有名な
「メリークリスマス、ミスターローレンス」
というたけしさんのセリフと、あの有名な主題歌しか知らなかったので、大人の女としてあかんと思い、クリスマスの本日、初めて見ました。
Huluって本当に便利。
ラブアクチュアリーとか、ホリデイとか、クリスマス鉄板映画も入ってるけど、彼がお仕事してて1人で見る用だったから多少暗くても良いかなとこれにしました。
(最初は園子温見ようとしてたけどさすがにやめた)
で、感想。
正直、捕虜収容所がどういう場所なのかよくわかってなかったので、ロレンスとハラがどんな関係なのか理解するのに時間かかりました。(本当世界史専攻だったからってわけじゃないけどこのへんの知識足りない。)
最初はハラが寝てるロレンスを起こしに行って、ああ良い関係なのかなと思ったけど、捕虜とその管理をする人で、
国も、文化も、宗教も、立場も(戦争の敵国同士)全然違う人でまだ相容れない状態。
だから、ハラがロレンスを殴ったりもするし、暴力的なシーンも多い。
それが、少しずつ目には見えない形で友情ともなんとも言えない関係が2人の中にできる。
友情というにはシビアだけど、全く理解出来ないもの同士かというとそうでもない。
ヨノイ大尉と、セリアズもそんな感じなのかな。
セリアズかみんなの前でヨノイ大尉のほっぺにキスしたのはどういうことなんだろう。
キスが挨拶になる文化の男性と、公衆の面前で男女がキスするのすら阻まれる文化の男性のキス。
辱めたい、、、とか?
セリアズの表情に意思があったけど、読み取りきれなくていろいろ考えてしまった。
印象的なシーンでした。
でも何より、映画を見たことのなかった私ですら知ってたエンディングはやはり最高でした。。
ああ、ずっとセリフだけ知ってた
「メリークリスマス。メリークリスマス、ミスターローレンス」
という言葉はそういう意味だったのね、って思っちゃった。思えてしまった。
切腹が当たり前で、命乞いなんてありえなくて、
そういう常識の中で戦時中を生きて、そういう覚悟を持って生きたのに、
戦争に負けて、今度は自分が裁かれる立場になったハラ。
戦争という時代に、誰かが正しいと決めた価値観を信じてきた者からすると、
やっぱり命乞いはできないけど、
やっと言えた言葉が「メリークリスマス、ミスターローレンス」だったのだな。
私のサンタになって、今度はお前が助けてくれ、って意味だったんだな。
あの笑顔と潤んだ瞳のたけしさんすごい。
捕虜収容所時代のクリスマス、ハラは酔っ払ってロレンスとセリアズを助けているから、あの話を持ち出して、でも気丈に「メリークリスマス、ミスターローレンス」と言ったのだろうな。
ロレンスなら、自分の気持ちに気づいてくれるだろうという願いとあの時過ごした2人の奇妙な関係を確かめる言葉として。
映画には描かれていないけど、きっと、その時のロレンスにはハラを助けられる力はなくて、ハラは処刑されてしまったのだろうと思う。
ああ、メリークリスマス。ファーゼン、クリスマス。