「自分の信じるものを他人に決めさせてはいけないわ」
年末年始読書で上巻だけ読んでた西加奈子のサラバ!
本日上下巻ともに読み終わりました。
とーーーーーーーっても面白かった。
帯に書かれているコメントにも納得の一冊。何度かうるっときた。
※下記ちょっとネタバレ含むので注意※
淡々と主人公の歩(あゆむ)目線で幼少期から30代の大人になるまでが語られるんだけど、全体としては淡々としてるのに下巻でのえぐられ方がすごい。笑
それは私が27歳だからだろうか。笑
歩はめぐまれた容姿で幼少期から大学生になるまでずっとモテてた。
それでも、彼には自分がなくて、常に誰かと比較してた。
そんな自分に30代半ばまで気づけなくて、気づいたら禿げてるし、
周りには仕事も友だちもいなくなってる。
幼少期、変だと思ってた姉は、いつのまにか自分を見つけて幸せそうになっていた。
歩はどうしてこうなったかわからないけれど、常に誰かを憎んだり恨んだりすることで自分を保ってた。
誰だって少なからずそういう時期ってあるんだろうな。
誰かと比較して劣っているとか優れているとか、自分の世の中でのレベルを考えたり。
私は負けん気が強いほうなので、どちらかというと歩よりだから笑
あれ、上の方にいたはずなのにどうしてこうなってしまったんだ?という歩の気持ちがすごくわかった。
ていうか私がしんどいよ。笑
でも今笑ってこの話を読めたのは、私が
「自分が信じるものをすでに見つけていたから」に他ならないな、とも思えた。
私は自分がそうなれたきっかけがハッキリとわかっている。振れ幅でかいな。
歩の姉である貴子の言う通り、「自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない」んだ。
終わり方がハッピーエンドで本当に良かった。